昨今カジュアルのみではなく、ビジネスシーンにおいてもスニーカーが普及しつつあり、革靴は少しずつ肩身が狭くなっていような気がします。
しかし、そんな数少ない革靴愛好家の中で少しブームになっているのが「靴磨き」です。
近年では毎年、靴磨き選手権大会なんてイベントも開催されています。私も2018年頃に1回だけ拝見したことがあります。
今回はそんな革靴のお手入れについてお話していきます。
革靴を美しく保つためには定期的な手入れが必要です。手入れを怠ると革がひび割れたり、最悪修理不能という事態になったりしてしまいます。
そうならないため革靴のケアを勉強していきましょう。
革は人間の肌と同じ
人間の肌も手入れを怠るとカサついたりしますよね。革靴も元は生きていた動物の表皮から出来ているので、同じことが起こります。
よく革靴の手入れは洗顔に例えられることがあります。
洗顔も汚れを落とし、化粧水で水分補給し乳液でフタをする一連の流れがありますよね。革のケアも基本は同じです。
まずは履き下ろしの儀式
購入したばかりの靴は長い間、ディスプレイされていた可能性があります。その場合革が乾燥しているため、潤いを与えてあげる必要があります。
まずは購入後、履く前に乳化性クリーム(デリケートクリーム)を塗ります。その後、油性クリームを薄く塗り保湿しましょう。
いわゆる履き下ろしの儀式ということです。
【毎日のチェックポイント】履いたらホコリを落としましょう
革靴を履いたらその日の帰宅後、靴表面のホコリをブラシ等で落としてあげましょう。
付着したホコリは革の表面から水分、油分を吸い上げて乾燥を早めてしまいます。
私の場合はその後、すぐに木製のシューキーパーを靴に入れます。靴内の除湿をするとともに履きジワを伸ばすためです。
シューキーパーは脱いだ後、1日たって靴が乾燥してから入れるという人もいるようです。これは脱いですぐの靴内は湿っているため、シューキーパーで蓋をしてしまいカビが発生するのを防ぐためです。
しかし、木製のシューキーパーであれば木自体が湿気を吸収してくれるのでその心配はありません。
むしろ脱いですぐは革も湿って柔らかいため、その時点でシューキーパーを入れたほうが履きジワを伸ばしやすというメリットもあります。
私自身、靴を脱いですぐにシューキーパーを入れる、このやり方でカビてしまったこともありません。
また靴用ブラシとシューキーパーは玄関のすぐ手に取れるところに置くのが良いでしょう。毎日のことですので、面倒になっては続きませんからね。
そしてたまには靴底も見てやりましょう。
本格的な紳士靴であれば、リソールというソールの張り替えが出来ますので、減り具合を見て判断して下さい。
ソールが減り過ぎてアッパー側まで削れてしまうと靴によっては最悪、リソールが出来なくなることもあります。
お手入れは月1回程度
靴が足に馴染んでも、月に1度くらいは手入れをしてやりましょう。
それでは順番にやっていきましょう。
①靴用ブラシでホコリを落とす。
②クリーナー(リムーバー)を綿の布につけて、全体を拭きあげます。これは汚れと共に古いクリームも除去しています。
綿の布は着なくなったTシャツなどを小さく切ったもので良いです。
③乳化性クリーム(デリケートクリーム)を塗り潤いを与えてやります。
④油性クリームを薄く塗伸ばし栄養と適度な艶を与えます。ブラシなどで油性クリームを靴に馴染ませた後、最後に綿の布で余分なクリームを拭きあげれば完成です。
ちなみにこの後、ワックスにてつま先を光らせる方もいますが、私はほとんどやりません。あまりにも強い艶は服によっては浮いてしまうからです。
この月に1度の手入れが革の状態を保ちつつ面倒になってしまわないラインかと思います。
また、この様に定期的に手入れすることは、靴の状態を見るためにも効果的です。
革靴には育てる楽しみがある
私自身、革靴はとくに思い入れの強いアイテムで、語りに熱が入ってしまいます。しかし、程よく付き合うことが大切です。
ファッションはトータルバランスです。靴にばかり注視するのは良くありません。
私は革靴のデメリットも含めて好きというちょっと変わったところもあります。
最初は足が痛いけどそこにクリームを擦り込んで、馴染んできたとき愛着がわいてくる。甲にシワが増えてきて雰囲気が出てくる。つまり、育てる楽しみがあることに惹かれているんでしょうね。
ということで、少し艶のある革靴が好きな私がお送りしました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。